第4回年会セッション1
From Japanese society for quantitative biology
第四回年会 (セッション1)定量生物学の要素技術: 生物を「視る」「操作する」「作る」「計算する」
講演者: 山田 啓文 (京都大学大学院工学研究科)、上野 匡(東京大学大学院薬学系研究科)、松浦 友亮 (大阪大学工学研究科)、高橋 恒一 (理研・QBiC)
日時
2012/1/8 11:00-12:30 セッション1
Chair
- 鈴木 孝幸 (名古屋大学)
概要
周波数変調原子間力顕微鏡による生体分子可視化の現状と展望
- 山田 啓文 (京都大学大学院工学研究科)
光機能性小分子による細胞内シグナル伝達の時空間制御
- 上野 匡(東京大学大学院薬学系研究科)
微小反応場における蛋白質合成反応の定量化
- 松浦 友亮 (大阪大学工学研究科)
細胞のように脂質二重膜で区画化されている場所に存在する分子は, 区画の存在の影響を受ける. 分子は小さい区画に高い頻度で衝突するため, 区画表面の物性の影響を受けうる. 遺伝子から生成された蛋白質は区画の存在により, その拡散に制限を受ける. このような小さい区画の性質が内部の生化学反応にどのような影響を与えうるのだろうか?細胞内の混雑効果に関しては多くの実験がなされているが, サイズの効果に関しての実験は少ない. それは、細胞を生かしたまま上手にサイズを変えて内部の生化学反応を定量的に測定することが困難なためであろう. 我々は, これを人工的にサイズ調整可能な細胞サイズの区画(人工細胞)を調製することで達成した. 具体的には, water-in-oil emulsion, リポソーム, マイクロチャンバーなどを用い, 微小反応場を作成し, その内部に無細胞翻訳系など種々の生化学反応を閉じ込めることで, 区画化が生化学反応に与える影響を定量的に明らかにすることを行ってきた. 本発表では, 得られた実験データだけでなく, 理論モデルを用いたデータ解析, 実験結果と理論モデルの整合性についても紹介させていただきたい.
references
1. [1]
2. [2]
細胞環境のin silico表現に向けて -- 反応ネットワークの観点から
- 高橋 恒一 (理研・QBiC)