第4回年会セッション3
From Japanese society for quantitative biology
第四回年会 (セッション3)定量的アプローチの深化: 定性的な概念を定量化で捉える
入江 直樹 (理研・CDB)、谷口 雄一 (理研・QBiC)、山縣 一夫 (大阪大学微生物病研究所)
日時
2012/1/9 10:00-11:30 セッション3
Chair
- 小林 徹也 (東京大学)
概要
観念形態学の古典問題に定量化で挑む
- 入江 直樹 (理研・CDB)
1生細胞内の遺伝子発現の定量化とモデル化
- 谷口 雄一 (理研・QBiC)
単一細胞のレベルでは内在するmRNA数とタンパク質数とがたえず乱雑に変動している.このため,ひとつひとつの細胞は,たとえ同じゲノムをもっていても,それぞれが個性的な振る舞いを示す.我々は,単一細胞内におけるmRNAとタンパク質の発現プロファイリングを単一分子検出レベルの感度で行うことにより,単一細胞のもつ特性の乱雑さをシステムワイドで定量化し,そこにあるゲノム共通の法則性を明らかにした(Taniguchi et al., Science, 2010).そのために,蛍光タンパク質遺伝子をそれぞれの遺伝子のC末端に結合させた大腸菌ライブラリーを1000株以上にわたって作製し,マイクロチップ上で単一分子感度での計測をシステマティックに行うことにより,それぞれの遺伝子におけるmRNAとタンパク質の絶対個数,ばらつき,細胞内局在などの情報を網羅的に取得した.その結果,全体の98%の遺伝子は発現するタンパク質数の分布において特定の共通構造をもっており,それらの分布構造の大きさは量子ノイズやグローバル因子による極限をもつことが判明した.本講演では、研究で確立した単一細胞内遺伝子発現の定量的1分子解析の方法論と、解析により得られる網羅的情報の統計的解析について詳しく解説する。
References
1. [1]
哺乳動物初期胚発生における補償作用を定量化してみる
- 山縣 一夫 (大阪大学微生物病研究所)