第三回年会セッション4
From Japanese society for quantitative biology
第三回年会 (セッション4)時空間ダイナミクスの定量生物学
日時
2010/11/28 13:30-15:30 セッション4
Chair
- 広井賀子(慶大)
概要
転写因子Hes1の発現振動によるES細胞の分化調節機構
- 小林 妙子(京都大学ウイルス研究所)
哺乳類脊髄神経回路網の作動メカニズムの生理学的解析
- 西丸 広史(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
マウス胚左右軸を決めるノード繊毛運動の協同性
- 篠原 恭介1・高松 敦子2 (1 大阪大学 大学院生命機能研究科, 2 早稲田大学 理工学部 電気・情報生命工学科)
マウス初期胚において受精後7.5日から8.0日の間に胚体の正中線上にあるノード内で、繊毛(長さ2-3 umの有毛細胞)の時計回り回転運動によりノード流と呼ばれる左向きの流れが発生し、これが左右非対称な遺伝子発現を誘導し、左右軸を決める事が知られている。本研究ではノード流の速度分布と繊毛の回転運動を粒子画像流速測定法(PIV法)と回転位相差の固定確率を用いて定量的に計測し、繊毛間の協同性解析を行った。また、位相振動子と呼ばれる、振動ユニットを相互作用させた系と数値流体力学を組み合わせた数理モデルシミュレーションを行い、実験結果と比較・検証した。ノード内の繊毛は自らが発生する流れを通じて結合し、繊毛運動の協同性と流れの速度はトレードオフの関係にある事が示唆された。また、最近ノード繊毛の運動性が著しく低下するが左右異常を示さない興味深い変異体を見つけたので併せて報告する。
研究内容の紹介以外に、工学出身者と数学出身者の共同研究のきっかけや問題解決のアプローチの違いなどに言及できればと思います。
細胞内自己組織化による自発シグナル生成 - Organized randomness -
- 上田 昌宏1・柴田 達夫2 ( 1 大阪大学大学院生命機能研究科, 2 J広島大学 大学院理学研究科)