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− | *要旨:近年、生体の可視化法や撮像系の開発と普及、画像データベースの構築など、イメージング技術をとりまく状況は日増しに進歩している。しかしその一方、得られた画像を評価・解析する過程については、現在もなおほとんどの場合に研究者の目視による判断が重きを占めており、定量化のための画像からの計測工程についても ImageJ | + | *要旨:近年、生体の可視化法や撮像系の開発と普及、画像データベースの構築など、イメージング技術をとりまく状況は日増しに進歩している。しかしその一方、得られた画像を評価・解析する過程については、現在もなおほとんどの場合に研究者の目視による判断が重きを占めており、定量化のための画像からの計測工程についても ImageJ 等を用いた人手の作業に頼っていることが多い。これはイメージングに基づく評価・解析が、さらなる精度とスループットを達成する上での障害となっている。このような状況下で期待される画像データの評価・解析に対するコンピュータによる支援技術の中でも、とくに注目を集めているアプローチである人工知能技術である機械学習について、本発表ではとりあげる。まず教師付き学習や教師無し学習といった一般的に活用される枠組みについて簡単に紹介と利用例を示す。その上で、発表者が開発している能動学習によるアプローチ CARTA を詳述する。能動学習は教師付き学習に比べて、学習効率の良さが2桁以上高く、教師情報の準備に係る研究者の負担を劇的に抑制できる。このことから、生物材料・生理現象・可視化の手法と対象分子・顕微鏡法などの各レベルにわたっての多種多様性が特性である生物画像群の評価・分類を行うバイオイメージング分野にとって最適な学習技術の一つではないかと考えている。 |
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[1]http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22929789 | [1]http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22929789 |
Latest revision as of 07:10, 14 December 2016
定量生物学ハック 1/8 10:10 - 12:10
DNAバーコードによる分子・細胞動態計測の拡張
- 谷内江 望(東京大学先端科学技術研究センター)
- 要旨:超並列DNAシークエンシングとDNAバーコードというアイディアは、様々な実験試料のマルチプレクス化によって多様な高速スクリーニングを実現した。一方で例えば、約20,000あるヒトの遺伝子全てについて、網羅的にそれらの2つの組み合わせ(約2億ペア)がフェノタイプに与える影響を計測することは「組合せ爆発」のために依然として困難である。今回の発表の前半では、複数の因子が関わる細胞の高速フェノタイピングを実現するために私達が開発した「バーコードフュージョン法」を紹介する (参考文献1)。これを酵母ツーハイブリッド法のシステムに持ち込むことによって、これまでに最低でも約250万ペアのヒトタンパク質間の相互作用を1人の研究者が2週間程度で測定できるようになった。後半では、DNAバーコードを利用した遺伝子デバイスや新たなゲノム編集技術 (参考文献2) によって、腫瘍進展、個体発生、集団進化など不均質な細胞集団の動態を一斉に1細胞レベルでトレースするテクノロジーについて紹介し、その展望を議論する。
- 参考文献
[1] http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27107012
[2]http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27492474
CMOS-based biomedical imaging devices with ultra-low-noise imaging techniques
- Shoji Kawahito and Min-Woong Seo(Research Institute of Electronics, Shizuoka University)
- Abstract: The low-noise imaging techniques have applications in many diverse scientific and industrial fields. Particularly, for realizing the CMOS-based biomedical imaging devices, these techniques are essential ingredient, because a signal from the living cells or biological tissues is not easy to detect. To obtain the high signal-to-noise ratio (SNR) sensing devices, specially, CMOS image sensors (CISs), we have designed and fabricated a high conversion gain (CG) pixel CIS with high-gain readout circuits. It makes to allow an extremely low read noise of 0.26e-rms, which is good enough noise level for achieving the high SNR and demonstrated through the photoelectron-counting histogram [1]. These low-noise imaging techniques can be also applied to the development of the ultra-high-sensitivity time-resolved (TR) CIS for the biomedical applications. Thus, using the noise suppression method, we have developed the high performance TR CIS for a fluorescence lifetime imaging microscopy (FLIM) [2], [3], and it has a very high time-resolution of approximately 10ps and a high sensitivity of 137ke-/lux∙sec. As a result, a clear fluorescence lifetime imaging with a fluorescent specimen is successfully attained by the developed TR CIS. In [3], there is a measured fluorescence lifetime image of a Chinese hamster ovary (CHO)-cell with DAPI (nucleus) bounded to DNA and quantum dots. The developed TR CISs using the low-noise imaging techniques will be useful not only as an imaging tool for life sciences and biological study, but also for use in new medical tools based on TR imaging techniques.
- References
[1]M.-W. Seo, S. Kawahito, K. Kagawa, K. Yasutomi, EDL, vol. 36, no. 12, pp. 1344-1347, Dec. 2015.
[2]S. Kawahito, G. Baek, Z. Li, S.-M. Han, M.-W. Seo, K. Yasutomi, K. Kagawa, in IISW, Jun. 2013, pp. 361-364.
[3] M.-W. Seo, K. Kagawa, K. Yasutomi, Y. Kawata, N. Teranishi, Z. Li, I. Halin, S. Kawahito, JSSC, vol. 51, no. 1, pp. 141-154, Jan. 2016.
生物画像の自動評価工程をハイスループット化する能動学習技術 CARTA
- 朽名 夏麿(東京大学大学院新領域創成科学研究科,エルピクセル株式会社)
- 要旨:近年、生体の可視化法や撮像系の開発と普及、画像データベースの構築など、イメージング技術をとりまく状況は日増しに進歩している。しかしその一方、得られた画像を評価・解析する過程については、現在もなおほとんどの場合に研究者の目視による判断が重きを占めており、定量化のための画像からの計測工程についても ImageJ 等を用いた人手の作業に頼っていることが多い。これはイメージングに基づく評価・解析が、さらなる精度とスループットを達成する上での障害となっている。このような状況下で期待される画像データの評価・解析に対するコンピュータによる支援技術の中でも、とくに注目を集めているアプローチである人工知能技術である機械学習について、本発表ではとりあげる。まず教師付き学習や教師無し学習といった一般的に活用される枠組みについて簡単に紹介と利用例を示す。その上で、発表者が開発している能動学習によるアプローチ CARTA を詳述する。能動学習は教師付き学習に比べて、学習効率の良さが2桁以上高く、教師情報の準備に係る研究者の負担を劇的に抑制できる。このことから、生物材料・生理現象・可視化の手法と対象分子・顕微鏡法などの各レベルにわたっての多種多様性が特性である生物画像群の評価・分類を行うバイオイメージング分野にとって最適な学習技術の一つではないかと考えている。
- 参考文献
[1]http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22929789