From Japanese society for quantitative biology

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第四回年会 チュートリアル

縮約の思想と生物学

  • 講演者: 郡 宏・伊藤 浩史

第三回年会に引き続き、カピカピの理論研究者と、乾ききりたくない実験研究者の問答形式によって、理論研究者の生命現象に対する経験、知識、ものの見方についてお伝えします。そのようなものが果たして生物学の実験研究の役に立つのか? これを考えるためにも、まずは共有することから始めたいと思います。
 今回は生物のリズム現象に話題を絞ります。例えば、毎日の寝起きのリズムを作る概日時計や、体節の節構造を作るときに現れる遺伝子発現のリズムなどが良い例です。さて、リズムという現象をどのように研究していけばいいのでしょうか?
 一つは、解像度をできる限りあげて、リズムを生み出す分子メカニズムを明らかにするという立場があります。ここ10年ほどは分子生物学のツールの発展に伴ってこのアプローチは成功し、リズムの生成に関係する分子をたくさん同定しました。この結果わかってきたことの1つは、分子の種類や、分子のネットワークはリズムごとに異なっていて、必ずしも共通性があるわけではないということです。
 一方、理論研究者の持つ「縮約」という思想は、「むしろ解像度を下げて現象を観察せよ」という教えです。逆説的ですが、逆に見えていなかった共通性が見えてくることがあります。そして様々な現象を見通しよく理解する助けになることがあります。このチュートリアルでは、神経発火や概日リズムを具体例に、理論研究者が縮約の視点からどのように現象と向き合っているのかを解説します。また、理論的視点から取り組んだ実験研究についても紹介します。

参考文献
「生物リズムと力学系」郡宏,森田善久,共立出版(2011)
「生物リズムの生まれ方」伊藤浩史郡宏,細胞工学 Vol. 30, No. 12, pp. 1248-1255 (2011)
see also [1]


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