第4回年会セッショ2

From Japanese society for quantitative biology

第四回年会 (セッション2)階層性の定量生物学: 個々の要素の振る舞いと集団レベルの秩序形成

講演者: 茅 元司 (東京大学大学院理学系研究科)、谷口 大相 (東京大学大学院総合文化研究科)、前田 礼男 (東京理科大学基礎工学部生物工学科)

日時

2012/1/8 15:45-17:45 セッション2

Chair

  • 高木 拓明 (奈良県立医科大学)

概要

階層レベルを意識した筋収縮の分子機構の解明

  • 茅 元司 (東京大学大学院理学系研究科)

 近年,多くの分子モーターが,細胞内では他分子複合体を形成して機能することがわかってきた.その最たる例が,筋肉内で機能する骨格筋ミオシンである.1つの筋肉の収縮は,億~兆単位のミオシン分子がアクチン繊維と相互作用することにより引き起こされる.これらの分子が,協働的に力と変位を起こしているのか,それともランダム的に個々が機能しているのかは,未だに不明である.その最大の理由は,骨格筋ミオシン1分子の特性が明らかにされていないためである.これまでの研究で,分子を単離した1分子計測系では,骨格筋ミオシン1分子の力や変位を安定して測れないことがわかった.そこで,筋肉内のフィラメント構造を模擬したミオシン3-5分子がアクチンと相互作用可能な多分子複合体をin vitroで再構成して,低ATP濃度における多分子複合体が発する力および変位を計測した.この計測から,ミオシン1分子の特性が見えてきた.さらに,ミオシン1分子の弾性特性を計測し,ミオシンの力・変位発生にどのように寄与しているのかを明らかにした.こうした結果と比較して,生体内に近い環境下,すなわち高ATP濃度,またより多くの分子を含む複合体では,どのような変化が起きるのかを検証し,骨格筋ミオシン1分子の機能が,多分子複合体の機能発現にどのように関わっていくのか議論していく.
References 1. [1]

シグナルリン脂質の時空間動態と細胞運動

  • 谷口 大相 (東京大学大学院総合文化研究科)

Chirality in planar cell-shape contributes to left-right asymmetric epithelial morphogenesis

  • 前田 礼男 (東京理科大学基礎工学部生物工学科)


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