Difference between revisions of "第三回年会 チュートリアル 統計"

From Japanese society for quantitative biology
 
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生物実験に携わる者にとり、実験で得られるデータの統計的な解析は必須であるが、特に定量的な研究を志向する者にとってはその重要性はいや増す。ここでは、統計学にあまり馴染みのない者が、実験データを解析する際に典型的に出会うと思われるいくつかの疑問や難点に関して、講演者の経験に則した現実的な処方箋の一端を紹介してみたい。まず、分子や細胞が動作する時空間スケールの確認をした上で、生化学反応のキネティクス、分子の拡散、細胞運動の軌跡などの具体的な実験データをとりあげる。そして、その基本的な解析法を述べながら、揺らぎと誤差の法則、分布の取り方、各種分布とその指標、モデル選択とフィッティング、検定、要素と全体の関係、拡散と異常拡散、相関関数やパワースペクトルによる時間情報の解析など一連の理論的な事項が、どのように実験データの解析に”着地”していくのかを概観していく。内容は基本的なもの、初歩的なものを中心とした昨年度のチュートリアルを踏まえつつ、より整合的な形で紹介する予定である。
 
生物実験に携わる者にとり、実験で得られるデータの統計的な解析は必須であるが、特に定量的な研究を志向する者にとってはその重要性はいや増す。ここでは、統計学にあまり馴染みのない者が、実験データを解析する際に典型的に出会うと思われるいくつかの疑問や難点に関して、講演者の経験に則した現実的な処方箋の一端を紹介してみたい。まず、分子や細胞が動作する時空間スケールの確認をした上で、生化学反応のキネティクス、分子の拡散、細胞運動の軌跡などの具体的な実験データをとりあげる。そして、その基本的な解析法を述べながら、揺らぎと誤差の法則、分布の取り方、各種分布とその指標、モデル選択とフィッティング、検定、要素と全体の関係、拡散と異常拡散、相関関数やパワースペクトルによる時間情報の解析など一連の理論的な事項が、どのように実験データの解析に”着地”していくのかを概観していく。内容は基本的なもの、初歩的なものを中心とした昨年度のチュートリアルを踏まえつつ、より整合的な形で紹介する予定である。
  
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Latest revision as of 17:48, 20 September 2010

第三回年会 チュートリアル

実験データの統計解析法基礎

  • 講演者: 高木 拓明

生物実験に携わる者にとり、実験で得られるデータの統計的な解析は必須であるが、特に定量的な研究を志向する者にとってはその重要性はいや増す。ここでは、統計学にあまり馴染みのない者が、実験データを解析する際に典型的に出会うと思われるいくつかの疑問や難点に関して、講演者の経験に則した現実的な処方箋の一端を紹介してみたい。まず、分子や細胞が動作する時空間スケールの確認をした上で、生化学反応のキネティクス、分子の拡散、細胞運動の軌跡などの具体的な実験データをとりあげる。そして、その基本的な解析法を述べながら、揺らぎと誤差の法則、分布の取り方、各種分布とその指標、モデル選択とフィッティング、検定、要素と全体の関係、拡散と異常拡散、相関関数やパワースペクトルによる時間情報の解析など一連の理論的な事項が、どのように実験データの解析に”着地”していくのかを概観していく。内容は基本的なもの、初歩的なものを中心とした昨年度のチュートリアルを踏まえつつ、より整合的な形で紹介する予定である。

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